感覚タイプ

感覚タイプは、必ずしも直観タイプより実践的で、運動能力に優れ、現実的であるとは限りません。

同様に、直観タイプは聡明で、空想的で、合理的で、悟りを開いているとは限りません。

 
感覚タイプは、世界を主に自身の経験を通して見ます。

感覚タイプは、すべてのアイデア概念を、収集した経験の集積を参照することで検討します。

直観タイプは、人生を概念アイデアの観点から見ます。

 
ただ、感覚タイプは、自身の経験から概念的なアイデアを引き出す前に、まず自身の経験の観点からすべてを見ます。

 
感覚タイプは現実の経験にフォーカスします。そして、世界は連結された「個別のパズルピース」で構成されていると見ており、世界全体を素晴らしいパズルと見なします。

すべてのピースは隣のピースとつながっており、それぞれが独自の意義と用途を持つ個別の記憶(memory)として存在します。

 
感覚タイプは個々のピースを包含する世界の「全体」にフォーカスするのではなく、それぞれが独自の場所に存在する「人生、人、状況、経験の個々のピース」にフォーカスします。

「すべて」が独自の場所を持つ別個のパズルのピースであり、あるピースは他のピースとは独立しており、単独で理解することができます。

感覚タイプは実際の体験の「独立したパズルのピース」にフォーカスしているため、より具体的に考える傾向を持ちます。

 
具体的な考えは必ずしも正確であるとは限りません。

感覚タイプは実際の経験にフォーカスしているため、彼女らの経験から引き出される含意と意見は、その経験が起こったコンテキスト(背景情報)に大きく影響されます。

様々な経験のレンズを通して見ると、信じるものすべてが大きく変化する可能性があることに注意しましょう。

それぞれの感覚タイプは、各自の合理的な信念を持っており、ある感覚タイプは、他者の経験のコンテキストを通して世界を把握することに苦慮します。

 
単に経験だけにフォーカスするのではなく、経験の背後にある概念を理解するための協調的かつ意図的な努力は、「パズルのピース」を「現実の他の部分」と一致させるのに役立ちます。

感覚タイプにとって、自身の経験に合わせてすべての概念アイデアを形作ることは魅力的かもしれませんが、代わりに自身の意見を謙虚にして「シンプルな概念的意味」に適応させることで、自身のすべての経験を、あらゆる可能性の光の中で把握することができます。

さらに、自身のものとは異なる「他者の経験」を容易に理解できるようになり、新しい経験を「既存の信念」に無理に適合させようとせずに、より広い視点から新しい経験を把握することができるようになります。

 
すべてを実際の経験の観点から見るとことは、「自身の人生」と「世界全体」の両方ですでに達成・蓄積されているすべての善(good)への称賛につながります。

これにより感覚タイプは、物事、人、自身のありのままのすべての善の維持・保護(失われないようにすること)にフォーカスします。

世界の中の誰かが物事の善を支持しないと、貴重な機会、ツール、観点が失われ、本来もたらされるべき洞察や能力の喪失によって、世界のすべての人類が劣化してしまいます。

 
ただし感覚はタイプ、すべてをむやみに保護しようとしないように注意すべきです。

注意しないと、世界の有害で悪意のあるものを支持することとなってしまいます。

すべてにおいて善を維持しようとすることは良いことです。しかし、既に存在しているからという理由だけで、不健全な、誤った、残酷な態度や文化を保護しようとすることは害をもたらします。

 
感覚タイプはまた、物事の現状がこのまま続くべきである、と安易に考えないようにすべきです。

そのような態度は、現在の文化や状況の善とともに、悪を守ることにつながります。

 
変化がすでにある善をよりよく保護するのに役立つ限り、彼女らは変化を受け入れます。

つまり、有益なものを保護するために有害なものを排除します。

彼女らは経験にフォーカスしているため、現在の状況を鋭敏に認識していますが、状況が将来どのようになるのかを確信することに苦慮します。

 
健全な感覚タイプは「経験のレンズ」だけでなく、「相互に関連する概念」を通して物事を把握します。それでも彼女らはまず、人生における「個々の経験的なパズルのピース」にフォーカスします。

感覚タイプが、経験だけでなく概念を通して世界を見ようと努めるにつれて、物事のさまざまな可能性を見ることができるようになります。

 
理想を持たず、経験のみによって生きようとする試みは不健全で制限的です。

そのような閉ざされた心は、他者のさまざまな経験をすべて無視することから生じます。

「自身の経験」が「自身の現在の態度」に合わない場合は、「自身の経験」さえも無視してしまいます。

まとめ

感覚タイプの特徴

・現実の経験、五感を重視
・各物事はそれぞれ独自の意義と用途を持つと考える
・世界を「個別のパズルピースの連結」と見なす
・人生、人々、状況、経験の個々にフォーカスする
・具体的に考える傾向を持つ
・経験から直接的に含意と意見を引き出す
・物事のありのままの良さの保護にフォーカスする

S(感覚)タイプとN(直観)タイプ

S(感覚)タイプ
N(直観)タイプ
経験、五感
概念、アイデア
物事を個別に評価する
物事を他の物事と関連付けて評価する
物事について具体的に考える
物事を様々な側面から考える
物事のありのままの良さを認識する
物事の可能性を想像する