LBP理論④:認知ステップの詳細

私たちは過去3回の記事で理論の基礎を学びました。
人の精神は自身にとって最も重要な「情報」を優先します。
そして、その「情報」の基本的目的に最も適した「機能」でその情報を処理します。
4種類の精神の働き(思考)の対象として4種類の情報があり、人はそれら全てを使用しますがタイプにより使用する順序は異なります。
4種類の精神の働き
①データと詳細:「知覚」 質問をして結論を出すために、状況情報を分析する。 |
②原則と傾向:「判断」 普遍的な傾向を理解するために、世界全体に対する理解を編纂する(Compiling)。 |
③行動と結果:「判断」 意思決定し計画を立てるために、行動の結果を注視する。 |
④観察と動機:「知覚」 人に対する性質的判断を下し可能性を探求するために、個人全体を観察する。 |
4つの情報の種類
●特定(具体) | ○全体(普遍) | |
■情報 |
①データと詳細 状況の詳細 |
②原則と傾向 世界の働き |
□行動 |
③行動と結果 決定とその結果 |
④観察と動機 「選択肢」と「人に対する性質判断」 |
情報を処理する機能はまず2種類に分けられます。
編纂機能(Si,Se,Ni,Ne)
・情報を普遍的に適用可能なパターンに編纂する
・ズームアウト視点
適用機能(Fi,Fe,Ti,Te)
・機能の目的に最適な情報と選択肢を決定することで、特定の状況に情報を適用する
・ズームイン視点
認知ステップはそれぞれ1つの情報と1つの機能で構成されており、各16タイプはこれらのステップのうちの4つのステップの固有の組み合わせと順序を持ちます。
そして、情報や機能の性質から認知ステップの順序のルールを導き出せます。
・知覚タイプ(Pタイプ)は「知覚」→「判断」の順
・判断タイプ(Jタイプ)は「判断」→「知覚」の順
・内向的タイプは最初に「■情報」を使用し、外向的タイプは最初に「□行動」を使用
・内向的タイプは「①データと詳細」→「④観察と動機」の順で、外向的タイプは「④観察と動機」→「①データと詳細」の順
・特定タイプは最初に「●特定」を使用し、全体タイプは最初に「〇全体」を使用
・特定タイプは「③行動」→「②原則」の順で、全体タイプは「②原則」→「③行動」の順
また、JタイプとPタイプは「③行動」を同じように考えていません。
Jタイプは「③行動」を地図のように使用し、Pタイプは「③行動」をツールボックスのように使用します。
そして最後に、情報と機能の組み合わせと、機能が常に特定の種類の情報を使用する理由について説明しました。
△外向的編纂機能(Se,Ne)は常に「④観察」であり、「観察」は個人とその動機のパターン発見のデータベースです。
▲内向的編纂機能(Si,Ni)は「②原則」(Jタイプ)または「③行動」(Pタイプ)のいずれかであり、Si/Niを介した「原則・行動」は情報パターンを見つけるための内面の遊び場です。
△外向的適用機能(Fe,Te)は「③行動」(Jタイプ)または「②原則」(Pタイプ)のいずれかであり、Fe/Teを介した「行動・原則」は外部環境に「意味(F)」または「使用(T)」のいずれかを適用します。
▲内向的適用機能(Fi,Ti)は常に「①データと詳細」であり、「データと詳細」は頭の中の情報の箇条書きです。
全体タイプ(=第1ステップが「○全体」)はズームアウト視点の情報(○)を編纂して(編纂機能)、物事が常にどのように機能するかを把握することから認知ステップを始めます。
特定タイプ(=第1ステップが「●特定」)はズームイン視点の情報(●)を具体的状況に適用する(適用機能)ことから認知ステップを始めます。
認知ステップのまとめ
EP
1 | 2 | 3 | 4 |
知覚 | 判断 | ||
観察(○) | 詳細(●) | 原則(○) | 行動(●) |
△Se/Ne | ▲Fi/Ti | △Fe/Te | ▲Si/Ni |
IP
1 | 2 | 3 | 4 |
知覚 | 判断 | ||
詳細(●) | 観察(○) | 行動(●) | 原則(○) |
▲Fi/Ti | △Se/Ne | ▲Si/Ni | △Fe/Te |
IJ
1 | 2 | 3 | 4 |
判断 | 知覚 | ||
原則(○) | 行動(●) | 詳細(●) | 観察(○) |
▲Si/Ni | △Fe/Te | ▲Fi/Ti | △Se/Ne |
EJ
1 | 2 | 3 | 4 |
判断 | 知覚 | ||
行動(●) | 原則(○) | 観察(○) | 詳細(●) |
△Fe/Te | ▲Si/Ni | △Se/Ne | ▲Fi/Ti |
認知の第1ステップ
各タイプの第1ステップを見ていきましょう。
第1ステップがSeを介した「④観察と動機」:ESP
人々の行いを見てきたという経験に基づいて、人々を「観察」する
↓
可能性を編纂し、人々の「動機」を理解する
第1ステップがNeを介した「④観察と動機」:ENP
人々の可能性・人々が概念的にどのように機能するかについての概念に基づいて、人々を「観察」する
↓
可能性を編纂し、人々の「動機」を理解する
第1ステップがFiを介した「①データと詳細」:IFP
状況の「詳細」を熟考する
↓
特定の状況の本質的な重要性を理解して適用し、意義のある可能性を発見するのに役立つ「質問」をする
第1ステップがTiを介した「①データと詳細」:ITP
状況の「詳細」を熟考する
↓
特定の状況の本質的な利点を理解して適用し、有用な可能性を発見するのに役立つ「質問」をする
第1ステップがSiを介した「②原則と傾向」:ISJ
自身の経験に基づいて、世界がどのように機能したかを熟考する
↓
物事が常にどのように機能するかという「中心的原則」をまとめ、物事がどのように機能し続けるかについての「傾向」を予測する
第1ステップがNiを介した「②原則と傾向」:INJ
概念的に、世界がどのように機能するかを熟考する
↓
物事が常にどのように機能するかという「中心的原則」をまとめ、物事がどのように機能し得るかについての「傾向」を予測する
第1ステップがFeを介した「③行動と結果」:EFJ
人々の選択の「原因と結果」を注視する。
↓
決定の本質的な重要性を理解して適用し、その後に最も意義のある「行動方針」を描く
第1ステップがTeを介した「③行動と結果」:ETJ
人々の選択の「原因と結果」を注視する
↓
決定の本質的な利点を理解して適用し、その後に最も有用な「行動方針」を描く
認知の第ニステップ
判断または知覚を完了させるために、編纂/適用の切り替えを行い、内向/外向の切り替えを行います。
例えば第一機能が「編纂機能+▲内向機能」の場合、第二機能は「適用機能+△外向機能」になります。
第2ステップがFiを介した「データと詳細」:EFP
第1ステップでの「観察」から、状況の「詳細」について何が分かるかを熟考する
↓
特定の状況の本質的な有要性を理解して適用し、有意義な可能性を発見するのに役立つ「質問」をする
第2ステップがTiを介した「データと詳細」:ETP
第1ステップでの「観察」から、状況の「詳細」について何が分かるかを熟考する
↓
特定の状況の本質的な利点を理解して適用し、有用な可能性を発見するのに役立つ「質問」をする
第2ステップがSeを介した「観察と動機」:ISP
第1ステップで得た状況についての「結論」が、個人について何を示すことができるかを把握するために「観察」する
↓
人々が行うことを見てきた経験に基づいて、可能性を編纂し、「動機」を理解する
第2ステップがNeを介した「観察と動機」:INP
第1ステップで得た状況についての「結論」が、個人について何を示すことができるかを把握するために「観察」する
↓
人々の可能性と、人々が概念的にどのように機能するかについての概念に基づいて、可能性を編纂し、「動機」を理解する
第2ステップがFeを介した「行動と結果」:IFJ
第1ステップで得た「普遍的な傾向」が、人々の選択の「因果関係」について何を示すことができるかを把握するために注視する
↓
意思決定の本質的な重要性を理解して適用し、その後に最も意義のある「行動方針」を計画する
第2ステップがTeを介した「行動と結果」:ITJ
第1ステップで得た「普遍的な傾向」が、人々の選択の「因果関係」について何を示すことができるかを把握するために注視する
↓
意思決定の本質的な利点を理解して適用し、その後に最も有益な「行動方針」を計画する
第2のステップがSiを介した「原則と傾向」:ESJ
第1ステップで得た「因果関係」が、「経験上、世界がどのように機能してきたか」について何を示すかを熟考する
↓
物事が常にどのように機能するかについての核となる「原則」を編纂し、物事がどのように機能し続けるかについての「傾向」を予測する
第2のステップがSiを介した「原則と傾向」:ENJ
第1ステップで得た「因果関係」が、「概念上、世界がどのように機能するか」について何を示すかを熟考する
↓
物事が常にどのように機能するかについての核となる「原則」を編纂し、物事がどのように機能し得るかの「傾向」を予測する
認知の第三ステップ
第二機能から第三機能へ変わる際、全てのタイプにおいて機能の内向/外向が切り替わります。
全体(○)タイプは認知プロセスの両端(第一、第二)で編纂機能を使用し、中央(第三、第四)で適用機能を使用します。
特定(●)タイプは認知プロセスの両端(第一、第二)で適用機能を使用し、中央(第三、第四)で編纂機能を使用します。
ズームアウト(=編纂機能)またはズームイン(=適用機能)のいずれかを維持することによって、第二機能から第三機能への切り替え時に「判断/知覚」の切り替えが可能になります。
これは認知プロセスを繰り返す際(第四機能→第一機能)も同じです。
第3のステップはPタイプがツールボックスの操作、つまり「③行動」の編纂と「②原則」の適用を開始する場所です。
Pタイプは、外向的適用機能(Fe/Te)によって、普遍的な情報(原則と傾向)を観察します(observe)。
また、内向的編纂機能(Si/Ni)によって、特定的な情報(行動と結果)を観察します(observe)。
Pタイプは、外的世界を知覚することで、世界が宇宙規模でどのように機能するかの理解を集めます。(「②原則と傾向」において外向的機能を使用します。)
一方Jタイプは常に情報と機能のズームイン/ズームアウトは一致しています。
第二ステップから第三ステップへの移行
EPは「①状況データ」から、「②世界の傾向」を見つけます。(find)
IPは観察対象の「④個人」から、取り得る「③行動」を編纂します。(compile)
IJは「③結果」から、「①状況データ」を収集します。(gather)
EJは原則として「②世界」がどのように機能するかを見ることから、「④個人の動機」を収集します。(gather)
第3ステップがTeを介した「原則と傾向」:EFP
第2ステップで得た状況に対する「結論」が、「世界の利点」と「世界で何が起こっているのか」について何を示すかを把握するために注視する
↓
自分にとって最も有用なものに関する個人的な「原則」(≒信条?)を理解し、有用な「傾向」を注視する
to understand their personal principles about what is the most use to them and to watch for useful trends.
第3ステップがFeを介した「原則と傾向」:ETP
第2ステップで得た「状況に対する結論」が、「世界の重要性」と「世界で何が起こっているのか」について何を示すかを把握するために注視する
↓
自分にとって最も意義があるものに関する個人的な「原則」(≒信条?)を理解し、意義を持つ傾向を注視する
to understand their personal principles about what means the most to them and to watch for meaningful trends.
第3ステップがNiを介した「行動と結果」:ISP
第2ステップでの「観察」が、人々の選択の「因果関係」について何を示すことができるかを熟考する
↓
中核的概念に基づいて、「決定とその結果」がどのように機能するかを理解して編纂し、どのような新しい「行動」が可能であるかを発見する
第3ステップがSiを介した「行動と結果」:INP
第2ステップでの「観察」が、人々の選択の因果関係について何を示すことができるかを熟考する
↓
経験に基づいて、「決定とその結果」がどのように機能するかを理解して編纂し、過去にどのような「行動」が最も効果的であったかを検討する
第3ステップがTiを介した「データと詳細」:IFJ
第2ステップで得た「因果関係」から、状況の「詳細」について何がわかるのかを熟考する
↓
特定の状況の本質的な利点を理解して適用し、有用な可能性を発見するのに役立つ「質問」をする
第3ステップがFiを介した「データと詳細」:ITJ
第2ステップで得た「因果関係」から、状況の「詳細」について何がわかるのかを熟考する
↓
特定の状況の本質的な重要性を理解して適用し、意義を持つ可能性を発見するのに役立つ「質問」をする
第3ステップがNeを介した「観察と動機」:ESJ
第2ステップで得た「普遍的な傾向」が、個人について何を示すことができるかを把握するために「観察」する
↓
人々の可能性と人々が概念的にどのように機能するかについての概念に基づいて、可能性を編纂し「動機」を理解する
第3ステップがSeを介した「観察と動機」:ENJ
第2ステップで得た「普遍的な傾向」が、個人について何を示すことができるかを把握するために「観察」する
↓
人々が行うことを見てきた経験に基づいて、可能性を編纂し「動機」を理解する
認知の第4ステップ
判断または知覚を完了させるために、編纂/適用の切り替えを行い、内向/外向の切り替えを行います