LBP理論①:認知と情報の種類

LBP理論は「精神の働き」に基づいて人々を理解します。
ほとんどの性格診断は「振る舞い(behave)」に基づいて人々を類型します。
認知は「意思決定」と「振る舞い(behave)」に大きな影響を及ぼしますが、人の「振る舞い(behave)」は、その「理由」の背後にある認知・思考プロセスと同じではありません。
「認知」とは情報を取得して処理する精神の働きです。
全世界とそこにある全ての物事と全ての人への理解は、過去に取得して処理した情報と、新たに取得して処理した情報に基づいます。なので認知はとても重要です。
参照元
https://www.alittlebitofpersonality.com/
精神が行う4つのこと
人が思考(think)するとき、人の精神は自然と4つのことを行います。
①データと詳細 質問をして結論を出すために、状況情報を分析する。 |
②原則と傾向 普遍的な傾向を理解するために、世界全体に対する理解を編纂する(Compiling)。 |
③行動と結果 意思決定し計画を立てるために、行動の結果を注視する。 |
④観察と動機 人に対する性質的判断を下し可能性を探求するために、個人全体を観察する。 |
誰もが4つすべてを行いますが、自身の精神が重要と考えるものに従って、私たちはそれぞれ異なる順序でそれらを実行します。
知覚 vs 判断
①データと詳細 質問をして結論を出すために、状況情報を分析する。 |
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④観察と動機 人に対する性質的判断を下し可能性を探求するために、個人全体を観察する。 |
認知プロセスのうち2つは「知覚」であり、「知覚」は「①データと詳細」「④観察と動機」の2つで構成されています。
「知覚」は、「行動の可能性」と「個人と状況がどのように相互作用するか」にフォーカスします。
知覚タイプ(Pタイプ)は、「判断」よりも先に2つの「知覚」を行います。
彼女らは(物事を)調査することと、(状況に対して受動的に)対応することを好みます。
EPタイプは「④観察と動機」→「①データと詳細」の順です。
IPタイプは「①データと詳細」→「④観察と動機」の順です。
②原則と傾向 普遍的な傾向を理解するために、世界全体に対する理解を編纂する(Compiling)。 |
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③行動と結果 意思決定し計画を立てるために、行動の結果を注視する。 |
認知プロセスのうち2つは「判断」であり、「判断」は「②原則と傾向」「③行動と結果」の2つで構成されています。
判断タイプ(Jタイプ)は、「知覚」よりも先に2つの「判断」を行います。
「判断」は、「行動計画」と「世界と結果がどのように相互作用する」にフォーカスします。
彼女らは、計画することと、行動することを好みます。
IJタイプは「②原則と傾向」→「③行動と結果」の順です。
EJタイプは「③行動と結果」→「②原則と傾向」の順です。
※
MBTIでは処理の対象である情報と心理機能(Ni,Feなど)はセットになっており、「知覚」とは情報を収集する機能(Si,Se,Ni,Ne)であり、知覚タイプとは第一機能、第二機能に「Se,Ne」を持つタイプと定義しています。
LBP理論では、処理の対象である情報と心理機能(Ni・Feなど)を別々に考えており、「知覚」とは「①データと詳細」「④観察と動機」のセットであり、知覚タイプとは認知の第一ステップ、第二ステップに「①データと詳細」「④観察と動機」を持つタイプと定義しています。
4つの情報の種類
「4つの精神の働き」に対応する「4つの情報の種類」がります。
情報の種類は、二重の二分法で分けられており、認知の対象となる全ての情報は必ず4つのうちの何れかに当てはまります。
「■情報」vs「□行動」
■情報 |
①データと詳細 状況の詳細 |
②原則と傾向 世界の働き |
□行動 |
③行動と結果 決定とその結果 |
④観察と動機 「選択肢」と「人に対する性質判断」 |
「■情報」=「①データと詳細」「②原則と傾向」
「■情報」は物事そのもの(物事のありよう)に焦点を当てます。
内向的タイプ(Iタイプ)は認知プロセスの最初に「■情報」に焦点を当てます。
内向的タイプは最初に自身の心の中を見て、物事がどのようになっているのか(物事のありよう)を理解します。
内向的タイプは「知覚」において「①データと詳細」→「④観察と動機」の順です。(「特定(具体)」から始め、次に「全体(普遍)」を考える)
「□行動」=「③行動と結果」「④観察と動機」
「□行動」は人が行うこと(what people do)を理解する事に焦点を当てます。
外向的タイプ(Eタイプ)は認知プロセスの最初に「□行動」に焦点を当てます。
外向的タイプは最初に外部を見て人々の行うこと(what people do)を理解します。
外向的タイプは「知覚」において「④観察と動機」→「①データと詳細」の順です。(「全体(普遍)」から始め、次に「特定(具体)」を考える)
※
後で説明しますが、内向・外向は、「知覚」における序列に影響を与えますが、「判断」における序列には影響を与えません。
認知の第一ステップが「●特定」か「○全体」によって、「判断」における序列が決まります。
「●特定(具体)」vs「○全体(普遍)」
●特定(具体) | ○全体(普遍) |
①データと詳細 状況の詳細 |
②原則と傾向 世界の働き |
③行動と結果 決定とその結果 |
④観察と動機 「選択肢」と「人に対する性質判断」 |
「●特定(具体)」=「①データと詳細」「③行動と結果」
「●特定」はよりズームイン的な視点によって、情報の「特定的な適用(Specific application)」を理解することに焦点を合わせます。
IPとEJは認知ステップの最初が「●特定」です。(=特定タイプ)
IPとEJは「判断」において「③行動と結果」→「②原則と傾向」の順です。(詳細から全体像を見つける)
「○全体(普遍)」=「②原則と傾向」「③行動と結果」
「○全体」はよりズームアウト的な視点によって、情報の「普遍的なパターン(Universal Pattern)」を理解することに焦点を合わせます。
EPとIJは認知プロセスの最初が「○全体」です。(=全体タイプ)
EPとIJは「判断」において「原則と傾向」→「行動と結果」の順です。(全体像から詳細を見つける)
まとめ
4種類の精神の働き
①データと詳細:「知覚」 質問をして結論を出すために、状況情報を分析する。 |
②原則と傾向:「判断」 普遍的な傾向を理解するために、世界全体に対する理解を編纂する(Compiling)。 |
③行動と結果:「判断」 意思決定し計画を立てるために、行動の結果を注視する。 |
④観察と動機:「知覚」 人に対する性質的判断を下し可能性を探求するために、個人全体を観察する。 |
4つの情報の種類
●特定(具体) | ○全体(普遍) | |
■情報 |
①データと詳細 状況の詳細 |
②原則と傾向 世界の働き |
□行動 |
③行動と結果 決定とその結果 |
④観察と動機 「選択肢」と「人に対する性質判断」 |
各タイプが最初に行うこと
EP:最初に、人々の動機を観察するために、全体的な「④反応」を観察する
IP:最初に、結論を導くために、特定の「①データと詳細」を考える
IJ:最初に、傾向を理解するために、全体的な「②原則」を考える
EJ:最初に、結果を理解するために、特定の「③行動」を注視する
各タイプの認知ステップ
EP – ④観察(○) -> ①詳細(●) -> ③原則(○) -> ②行動(●)
IP – ①詳細(●) -> ④観察(○) -> ③行動(●) -> ②原則(○)
IJ – ②原則(○) -> ③行動(●) -> ①詳細(●) -> ④観察(○)
EJ – ③行動(●) -> ②原則(○) -> ④観察(○) -> ①詳細(●)