MBTIとは
ユングは、人には8つの認知機能(cognitive function)があるとしました。
認知機能には知覚機能(Perceiving)と判断機能(Judging)があります。
知覚機能(P)
・非合理機能、情報を受け取る機能
判断機能(J)
・合理機能、受け取った情報に基づいて物事を判断する機能
知覚機能(P)には感覚(Sensing)と直観(iNtuition)があります。
感覚(S)
・五感を通して情報を得る、現実性・あるがままを得る、どうなっているかを見る
直観(N)
・五感では得られない情報を得る、可能性・ひらめきを得る、どうなっていくかを見る
判断機能(J)には感情(Feeling)と思考(Thinking)があります。
感情(F)
・好き/嫌い、快/不快に基づいて判断する、協調性を重視する
思考(T)
・理論的に正しいか正しくないかで判断する、合理性を重視する
感覚(S)、直観(N)、感情(F)、思考(T)のそれぞれについて、内向的機能(Introverted)、外向的機能(Entroverted)があります。
内向的機能(I)
・意識が自身の内面に向いている、狭くて深い、主観的
外向的機能(E)
・意識が自身の外側に向いている、幅広くて浅い、客観的
8つの機能について簡単に説明します。
内向的感覚(Si)
・五感を通して得た特定の情報を記憶として保存する、過去を重視する、身体内部の感覚に気づく
外向的感覚(Se)
・五感を通して外の世界の様々な情報を得る、現在を重視する、外部の物理的仕組みを理解する
内向的直観(Ni)
・得た様々な情報の背後にあるものを読み取り、組み合わせて一つの結論を導く
外向的直観(Ne)
・外の世界の様々なものの背後にある情報を読み取る
内向的感情(Fi)
・自分独自の価値観に基づいて判断する、自己の感情を管理し、外部には表さない
外向的感情(Fe)
・他者の感情、社会一般の価値観に基づいて判断する、自己の感情を外部に表す
内向的思考(Ti)
・自分独自の理論に基づき判断する
外向的思考(Te)
・社会一般の理論に基づき判断する
認知機能(cognitive function) | |||
知覚(P) | 判断(J) | ||
感覚(S) | 直観(N) | 感情(F) | 思考(T) |
Si Se |
Ni Ne |
Fi Fe |
Ti Te |
MyersとBriggはユングの理論をさらに発展させ、人は8つの認知機能のうち4つを主に使用するとし、それに基づいて16のパーソナリティタイプに分類しました。(MBTI)
この4つのうち、最も使用するものから順に以下の名称があります。
Dominant function(主要機能・第1機能)
Auxiliary function(補助機能・第2機能)
Tertiary function(第3機能)
Inferior function(劣位機能・第4機能)
Dominant functionが最も幼少期から発達し、意識的に使用され、下位に行くほど発達が遅く、無意識的です。
パーソナリティタイプは(例えばINFJのように)4つのアルファベットによって表されます。
1文字目はdominant functionが内向的機能(I)か外向的機能(E)かを表します。
2文字目は知覚機能(P)である感覚(S)と直観(N)のうち、好む方を表します。
3文字目は判断機能(J)である感情(F)と思考(T)のうち、好む方を表します。
4文字目は最も好む外向的機能が知覚機能(P)か判断機能(J)かを表します。
ルール1
第1機能が内向的機能(I)の場合、以下のようになります。
第1機能:内向的機能(I)
第2機能:外向的機能(E)
第3機能:内向的機能(I)
第4機能:外向的機能(E)
第1機能が外向的機能(E)の場合、以下のようになります。
第1機能:外向的機能(E)
第2機能:内向的機能(I)
第3機能:外向的機能(E)
第4機能:内向的機能(I)
ルール2
第1機能が知覚機能(P)の場合、以下のようになります。
第1機能:知覚機能(P)
第2機能:判断機能(J)
第3機能:判断機能(J)
第4機能:知覚機能(P)
第1機能が判断機能(J)の場合、以下のようになります。
第1機能:判断機能(J)
第2機能:知覚機能(P)
第3機能:知覚機能(P)
第4機能:判断機能(J)
ルール3
4つの認知機能には、感覚(S)、直観(N)、感情(F)、思考(T)がそれぞれ1つずつ使用されます。
INFJタイプを例に説明します。
1文字目がIであるため以下のようになります。
第1機能:内向的機能(I)
第2機能:外向的機能(E)
第3機能:内向的機能(I)
第4機能:外向的機能(E)
4文字目がJであるため、最も好む外向的機能(この場合第2機能)が判断機能(J)であるため以下のようになります。
第1機能:内向的機能(I)かつ知覚機能(P)
第2機能:外向的機能(E)かつ判断機能(J)
第3機能:内向的機能(I)かつ判断機能(J)
第4機能:外向的機能(E)かつ知覚機能(P)
2文字目がNであるため、最も好む知覚機能(P)は直観(N)であり、
3文字目がFであるため、最も好む判断機能(F)は感情(F)であるため、以下のようになります。
第1機能:内向的直観(Ni)
第2機能:外向的感情(Fe)
第3機能:内向的機能(I)かつ知覚機能(P)
第4機能:外向的機能(E)かつ判断機能(J)
第3機能は知覚機能(P)のうち使用していない感覚(S)、
第4機能は判断機能(J)のうち使用していない思考(T)であるため、以下のようになります。
第1機能:内向的直観(Ni)
第2機能:外向的感情(Fe)
第3機能:内向的感覚(Si)
第4機能:外向的思考(Te)