ESFJ:精神プロセス
ESFJの心理機能
1. Fe – 外向的感情
FeはESFJの主要機能であり、世界と関わるために使用されます。
Feは感情(emotion)とは無関係です。Feは、人や状況についてFeタイプが持つ本能(直感)です。
Feは外部にフォーカスしており、主に他者の存在によって動機付けられます。
2. Si – 内向的感覚
Feは人々に関する情報を収集するのに対して、Siはバックグラウンドで内部的に実行され、ファイルキャビネットや非常に整理された図書館のようにFeが収集した情報を組織的な方法で保管します。
Siはまた、データに基づいて物事が「正しい」か「間違っている」かを判断することをサポートします。
3. Ne – 外向的直観
Neは周囲の世界に対する直感を刺激し、ESFJが不慣れな状況を乗り越え、人々の可能性を理解するのに役立ちます。
Neはまた、Siを抑制するのに役立ちます。これにより、Siによって自身の方法に固執することを防ぐことができます。
4. Ti – 内向的思考
TiはESFJの最後の機能です。
Tiは、Feが収集した情報の分析に関係します。
TiはNiと共同し、ESFJのアイデアや意見の洗練をサポートします。
ただし、Tiは彼女らの最も弱い機能であるため、彼女らは複雑な理論的問題の分析に苦慮します。
外向的感情(Fe)
Feは短い一文で定義できません。 なぜなら、Feでは常に多くのプロセスや方法が動いているからです。
Feの性質の1つは、瞬時の迅速な意思決定です。
ESFJはFeを使用して周囲にいる全員の雰囲気を読み取り、全員が何を考え感じているかを認識します。
彼女らは無意識のうちに人々に関する情報を取り入れます。そして、ほとんどの意思決定をその情報に基づいて行います。
「なるべく多くの人々に利益をもたらすために、私に何ができるの?」
同時に、ExFJは独自のマナー、表現、感情、能力を使用して周囲の人々に影響を与えます。
ExFJが他者から良い雰囲気、感情、またはESFJの興味を引き起こす何らかの感覚を受け取ると、ExFJはそれらの感情等を自分のもののように受け取ります。
ESFJは周囲の人々に敏感であり、外的世界をとてもよく認識しています。
彼女らは周囲の見知らぬ人のことも非常に意識しています。
ESFJは、周囲の人々の会話を自然と耳を澄まして聞きます。
他者と一緒にいるとき、彼女らは常に相手の位置、ボディランゲージ、声のトーン、言葉の選択、表情を意識しています。
この人々への意識により、友人と深く有意義なつながりを築き、親しい人々を助け、他者の人生に実在的な変化をもたらします。そして、これらにより彼女らは充実を得ます。
愛する人々の人生に有意義な変化をもたらすことができたとき、彼女らはアドレナリンが急増し、世界を征服できるような気分になります。
ExFJは人間関係構築のマスターです。
彼女らはFeを通して他者の状況を感知し、評価します。
ExFJは共感に優れ、他者の喜びや怒りを自分のもののように感じます。
Feは「母性」的機能としても説明できます。
Feタイプは周囲の人々を気遣う気持ちが強いです。
彼女らは自身のニーズよりも他者のニーズに配慮する本能を持っています。
Feタイプは、見返りを期待せずに他人を助けているときに最も自分らしさを感じます。
FeはFiとは異なります。
Fiは自身の内面にフォーカスし、「これについて私はどう感じているの?」と問い続けます。
一方Feは外部にフォーカスし、「私が属しているグループの人々はこれについてどう感じているの?」と問い続けます。
Fiタイプは、まるで鏡を見ているかのように、自分自身を定性・定量化できます。(自身の様々な面について評価できます。)
Feタイプの鏡は外側に向いています。
よってFeタイプは、自身が心の中でどう感じているのかは理解しているかもしれませんが、他者からのフィードバックを得るまで、自身の感情が実際に何を意味するのか、他者からはどのように見えるのかを明確に理解することができません。
Feタイプのこの性質は、Feタイプ以外からは不安定さに見えるかもしれません。
しかし、健全なESFJは「私は私だ」という強い意識を持っています。
Feはデータ収集機能ですが、Fiのように自身に関する客観的なデータを収集することはできません。
Feは、正確だと思われるデータを収集するために外部に依存しています。
つまりFeは、何かに関する正確な描写を作成するために、他人が提供する情報に依存します。
ExFJは外的世界と深く関わっており、何かをどのように感じたいかに関する優れた本能を持ちます。Feタイプはこの本能を素晴らしい芸術的表現に導くのが得意です。
世界に対する「直感(本能)」的アプローチにより、各一筆をどのように描くべきか、または次にどの音符が来るべきかを過度に分析することなく、自分自身を表現することができます。
ESFJは人間関係における調和を重視します。
周囲で争いが発生した場合、彼女らは解決のためにできるだけ早くそれに立ち向かいたいと考えます。
彼女らにとって争いは辛いものですが、争いを抑圧したり回避したりすることはさらに辛いことと考えます。
ESFJは、自身に関わりのない争い興味を示したり、その状況に関与したがる可能性があります。
これは、他者への真の関心と他者をを助けたいという願望から行われます。
ESFJは人々を理解し、お互いの理解を促進することに優れます。
ESFJは明確かつ客観的に考えることができ、多くの場合、非常に良いアドバイスを提供します。
成熟したESFJは、自身の意見が求められているかどうかを判断したり、状況により意見を与えるのを控えることができます。
内向的感覚(Si)
Siは、実世界での経験と五感がSiタイプにどのような影響を与えるかに関係します。
xSFJは自身の経験にとても価値を置いており、それらについての詳細な記憶やカタログを持っています。
Siタイプは、自身にとって効果のあるポジティブな経験を見つけ、その経験を継続したいと考えるため、日常の行動が慣習的になります。
ただし、Siは非常に主観的です。よってSiタイプはそれぞれ、他のSiタイプとは大きく異なる伝統や慣習を重視する可能性が高いです。
ESFJは、世界中から収集した情報を組織的に保管するファイルキャビネットを内面に持ちます。
彼女らは世界に関する情報を取り込み、それを内面において具体的な方法(S)で処理します。
ESFJの「キャビネット」には、主に想像上の可能性(N)ではなく、現実世界の経験(S)から収集した情報が保管されているため、彼女らは過去に望ましい結果をもたらした方法で物事を行うことを好みます。
Feタイプは、他者の気分や感情を「拾う」「感じる」ことができます。
特にESFJの場合、他者を見て、その人が特定の感情を感じている、または特定のことについて考えていることが「わかる」かもしれません。
ESFJの精神は、グループの感情に関する情報を収集し、それらを直線的かつ段階的に処理する独自の能力を備えます。
この処理は潜在意識で行われ、努力を要さず数秒で完了します。
ESFJがカフェで人々を観察した場合、観察対象の全体的な感情を自然かつ容易に知ることができます。
ESFJは、顔の表情やボディランゲージを読み取ることに優れます。
彼女らは、一人ひとりから発せられる「オーラ」や「感情」を無意識に取り込みます。
そして、人々から収集した「感情」を分類し、その人の顔の表情、身振りなどを記録し、後でアクセスして取得できるように保存します。
ESFJの内面は非常に具体的です。
彼女らの世界は二元論的で、白黒思考で、物事を正しいか間違っているかでハッキリ区分します。
このため、ESFJは自身に対して厳しく、自身に非常に高い基準を設定します。
この「内なる批評家」の性質により、彼女らは周囲に対して「敏感」になるかもしれません。
Siは内向的機能であり、ESFJは外向的タイプであるため、彼女らは自身の「内なる批評家」の性質を秘密にする傾向を持ちます。
ExFJは、内面の思考のかなりの部分を人間関係の問題について考えることに費やします。- 例えば、自身の行動が他者にどのような影響を与えるか、他人から言われたことについて自身がどう感じるか。 -
彼女らは、自身の発言が自身の意図しない形で相手に受け取られた可能性があることに事後的に気づくことが多く、そのため意図せず誰かを傷つけてしまったかもしれないと心配します。
外向的直観
Neは、多くの抽象的な可能性やアイデアを探求するプロセスです。
このため、ESFJはアイデアや人物などについて、それが将来どうなるかを把握することに優れます。
ESFJの場合、よく発達したNeはSiを抑制することに役立ちます。
Neは、ESFJが固定観念や白黒思考に囚われないようにします。
ESFJにとっては人間関係が重要であり、尊敬する人が新しいコンセプトを提示すると、Neによって彼女らは非常にオープンな気持ちになります。
ESFJは輝かしい理想主義者ではありませんが、現実的な意味で楽観的です。
たとえば、愛する人が醜い状況にあるのを見た場合、その人にとってあらゆる種類の前向きな結果が得られると考える一方(Ne)、その人が X、Y、Zとステップを踏んだ場合にのみ良い結果が得られることも理解します(Si)。
彼女らはNeによって物事の明るい面に目を向け可能性を楽しむ一方、Siによって現実的に思考します。
ESFJは外的世界にフォーカスしており、思考が現実的であるため、理論的に思考することに苦慮します。
ESFJは複雑で理論的なアイデアについて、一人で考えるのではなく人々と話すことを好みます。
会話では、質問したり、例えを用いたり、相手の発言を基にすることでアイデアを深く理解できるからです。
理論的可能性についての会話は、彼女らのランダムで抽象的な側面を引き出します。
ESFJのNeプロセスは、彼女らが何かを説明しているとき、または自身のアイデアを理論化しているときに現れます。
ESFJは、自身のアイデアを精神的に磨き洗練させながら、また言葉を少し変えながら自身の思考を何度も繰り返します。
この言葉による洗練と説明のプロセスを通じて、ESFJは自身の主張の新たな側面にも気づくようになります。
話しているときに物事について「ああ、なるほど!」という洞察の瞬間がよく発生するので、このタイプにとって言語処理は非常に重要なものです。
ESFJは、人生の大きな決断を下す際に問題を抱えるかもしれません。
彼女らは良い選択肢がたくさんあることを理解できますが、1つを選ぶことは他のすべての選択肢を閉ざすことを意味すると感じます。
達成できる可能性がある事柄が自動的に頭の中に段階的に配置されるため(Si)、夢が実現するまでに必要なすべてのステップが見えてしまい、圧倒されるかもしれません。
ESFJは、人生で本当にやりたいことを何もやらないという事態を避けるために、それらを達成するために必要な選択肢や手順にこだわり過ぎないように注意すべきです。
内向的思考(Ti)
TiはESFJの最後の機能です。
ESFJは人間関係に重点を置いているため、複雑な論理分析に苦慮します。
ESFJは、Feを非常に論理的な方法で使用できますが、物事を過度に複雑にする傾向があります。
彼女らは、自身の選択のドミノ効果をとても懸念しています。
「これは、この人、あの人、私のキャリア、私の配偶者のキャリアなどにどのような影響を与えるの?」
彼女らは「物事が自身の大切な人たちにどのような影響を与えるか」「全員にとっての観点から何が最善であるか」などに基づいて、「正しい選択」を何度も検討します。
ESFJにとって、人間関係における抵抗が最も少ない道を選ぶことは完全に理にかなっており、多くの場合、非常に論理的な理由で自身の選択を裏付けます。
これは主観的な論理、つまり「私にとって何が意味があるか」です。
人生で成功し、健全でバランスのとれた個人になるために、ESFJは客観的な論理、つまり「議論の余地のない事実に基づく真実(Ti)」も受け入れなければなりません。
適切かつ必要に応じて、この客観的な論理を受け入れ、適切に活用することを学ぶことができれば、彼女らはより強くなるでしょう。
主観的な論理がうまく機能する場合もありますが、客観的な論理の代わりとならない場合もあります。
意思決定に関して、ExFJの思考プロセスは、他タイプとってはとても感情的または非論理的に見えるかもしれません。
彼女らは直感(本能)を主としますが、そのプロセスは依然として論理的です。ただし他者は、ESFJの問題や結論に対する感情的な反応を、非論理的な思考プロセスと誤解する可能性があります。
ExFJの論理は、他タイプには無視されるデータポイントを考慮しています。- 例えば、周囲の人々の喜び、人類の幸福、魂の平和、自身の行動の社会的影響など。
もちろん、健全なESFJは客観的な論理を使用することができますが、それはFeの直感(本能)によるプロセスよりもはるかに時間がかかるものとなります。
彼女らは通常、何時間も立ち止まってすべての状況を客観的に分析するのではなく、何かについてその瞬間のFeの「直感(本能)」に従う可能性が高いです。
よって、ある瞬間の意思決定における論理の過程を遡って説明することができないことが多いです。
「これがXの意味です」と判断を下すのがTiプロセスです。
ESFJにおいてはTiがあまり重視されないため、Tiが彼女らの思考プロセスを「推進」することはありません。
ESFJのTiは、どこに行くべきか理解しつつも、ささやき声で提案をする後部座席の人です。
しかし、そのESFJのTiに地図(Feによる会話)が与えられると、Tiはより良い提案を行うことができるようになります。
Tiタイプは「なぜ?」という自身の思考に迷うことがよくあります。
それはすべてのものについての終わりのない推測と分析です。
対してESFJは会話や研究を通じて複雑で理論的・哲学的な疑問に関わることを好みます。
彼女らは他者との会話という文脈の中で物事を分析します。
Tiタイプはあらゆることについて学ぼうとしますが、ESFJは必要に応じて、または会話中に出てきた物事について学ぶ可能性が高いです。
深い哲学的問題について、自分一人で考えるよりも楽しい会話の中で探求する方が、ESFJにとってははるかに興味深いことなのです。