内向的感覚・SJ/NPタイプ byPJ
ISTJとISFJのdominant functionを果たす内向的感覚(Si)は、8つのMyers-Briggsの機能(function)の中で最も理解されていないものの一つです。
この記事では、SJタイプとNPタイプでの異なる発現を含む、このやや謎めいた機能の性質と役割を明確にしようとします。
またこの記事ではそれを外向的直観(Ne)・内向的直観(Ni)と比較します。
ユングが内向的感覚と名づけたものに照準を合わせる前に、まずそれが発生する状況を検討する必要があります。
ユングの類型論に基づいているタイプ理論によれば、Siが機能スタック(第1~第4機能)の一部であるすべてのタイプについて、その機能的反対である外向的直観(Ne)も機能スタックの中に見いだされます。
したがって、内向的感覚の性質を探るには、それを外向的直観と並置すると便利です。
内向的感覚 & 外向的直観
Neは新しい接続を創造するために総合的に使用されますが、強い散開的要素も持っています。
Neはより多くの選択肢と可能性を無限に探し出そうとします。
他の機能による現実性のチェックがなければ、抑制されないNeは簡単に人生の中をさまよう目的の無い放浪の類に終わってしまうでしょう。
したがって、内向的感覚の役割の1つは、Neに対するカウンターバランス(平衡)・現実性のチェックとして機能することです。
これは、記憶された事実と人生経験の方法で行われます。
皆、「あなたは経験を通して学ぶ」という言葉を聞いたことがあるでしょう。
Siは私たちの生活過程や他の種類の情報にアクセスし、同じミスを2回繰り返すことを防いでくれます。
また、Siが機能スタック内の相対位置によって多少異なることを認識することも重要です。
David Keirseyが 、Siがdominant function又はauxiliary functionであるタイプを総称して作成した「Guardian(保護者)」(SJタイプ)では、Siはより自由で奔放なNPタイプでの場合とは異なる役割を果たすでしょう。
SJタイプでは、Siはしばしば既存の事実・慣習・世界観・方法を遵守することになります。
これらのタイプは、通常、自分のアイデアや理論を作成するのに十分な整えはなく、またそれに関心がありません。
彼女らは、自らの信念と行動が、独自の基準を創出するよりも、既存の基準と一致していることを確実にすることに関心を持ちます。
多くの点で、彼女らはすでに試され確立されているもの、一貫性と安全性の感覚を与える思考体系に依存しています。
NPタイプの場合のように、内向的感覚が機能スタック内で低い場合、SJタイプで見られるのと同じ程度の、即時かつ永続的な確実性を提供できません。
これは、少なくとも部分的には、NPは伝統や慣行に頼ることなく、世界についての自らの理論を積極的に組み立てることを好むという事実によるものです。
したがってNPタイプの場合、Neを支援し磨くために利用されるSiの情報は、しばしばより個人的です。
NPタイプは個人的経験に大きな信頼を置いており、あらゆるタイプの最も特殊で個性的なものの中で自身の視点を作ります。
内向的感覚は過去の経験から学んだ教訓を思い出して、NPタイプの個人的な成長と発展を助けることができます。
過去の経験や教訓から何が除外されているのかを思い出し、NPはかなりゆっくりとしていても確実なものに近づいていると感じます。
Siはまた、NPが効果的な慣習を発達させるのを助けます。
NPは時間の経過とともに自身を観察し、どの行動が自身を最も最適に機能させ、最も満足していると感じるようにさせるかを特定します。
そして、彼女らが本題から逸れ始めると、彼女らのSiは介入し、彼女らがよりバランスのとれた健全な状態に戻るのを助ける行動を思い出させます。
SiはENPタイプではinferior functionであるので、健全な習慣を発達させて遵守することが最も難しいかもしれません。
最後に、内向的感覚の最も一般的に見過ごされている機能の1つは、体内の感覚(体内で感じて経験した体)を知覚する役割です。
他のどのような心理的機能よりも、Siは思考や外的刺激とは別に、最も基本的な「存在(being)」感覚へのアクセスを提供します。
歴史的に、東洋の哲学と宗教の伝統は、西洋のものよりも人間の経験のこの側面を探求することに関して優れた仕事をしてきました。
このSiの次元は、ヨガ、太極拳、瞑想など身体の内部状態に細心の注意を払う必要がある活動中に行われます。
内向的感覚(Si)vs. 内向的直観(Ni)
内向的感覚は知覚機能であるため、内向的直観(Ni)のように、むしろ受動的かつ、意識的な制御の外であると理解することができます。
INJタイプのように、SJタイプは確かな確信 ‐ 真実か偽か、正しいか間違っているかについての直観 ‐ を経験します。
これについて、このような結論に達するまで、意識的な推論はあまり行われません
よって、Siタイプは頑なに見え、彼女らは信じるものにおいて自由な選択肢がほとんどないと感じるかもしれません。
このため、ユングはSiを非合理的な機能と見なしました。
それはSiが非合理的であるからではなく、無意識な方法で情報を受け取り結論を導くからです。
内向的感覚の非合理的な要素の優れた例は、「The Woman Who Can’t Forget」という本で見つけることができます。
そこで著者は、関連する歴史的な日時や出来事など、彼女の人生のそれぞれの日々の詳細を正確に想起させる彼女の奇妙な能力を説明します。
彼女の記憶の力は間違いなく比例ないものですが、彼女のSiに関して最も言われているのは、彼女がそれを制御できないという事実です。
彼女は、自身の心が絶えずランダムな方法で記憶を再生するので、それらを排除し、現在に焦点を当てる最善の努力にもかかわらず、大きな不満を感じていると報告しています。
これが極端な例であるとしても、彼女の経験は、Siが記録し情報を想起する受動的で非自発的な方法を物語ります。
これは、Siをdominant functionとするタイプがあらゆる種類のランダムな詳細と事実を容易に思い出す理由を説明するのに役立ちます。
彼女らの想起は、単に意識的な努力に起因するものではありません。
このような努力を要さず正確な記憶を表現する能力によって、多くの非SiタイプはISJタイプを常ならない知性の持ち主と見るでしょう。