内向的感覚:想起の力
認知機能、特に内向的感覚(Si)に関する誤解があります。
私は、人々がSiタイプを「慣習順守者」または「慣習の奴隷」と呼ぶのを聞いたことがあります。
特定のWebサイトでは、Siタイプは創造的に考えることができない、革新することができない、知的でないと言っています。
私はただ、そのすべてが完全に間違っていると言いたいのです。
この記事の目的は、内向的感覚が何であるかに辿り着き、インターネットを通じて広まった誤解を解くことにあります。
感覚(S)の定義
感覚(Sensing)は文字通り「感覚的印象(sense impression)」を意味します。
それは具体的、物理的な現実に焦点を当てています。
このため、感覚タイプは実践的で現実的な性質を持つ傾向があります。
未知のものや理論的なものに焦点を合わせるのではなく、「何であるか」に焦点を合わせることを好みます。
これは、行間を読んだり、抽象的な数学的推論を使用したり、革新したりできないという意味ではありません。
内向的感覚(Si)と外向的感覚(Se)
外向的感覚は、刺激やオブジェクトの客観的現実に焦点を当てています。
Seタイプが物を見たり、外界から感覚を得ると、あらゆる細部やニュアンスを正確にそのまま認識し、リアルタイムでそれに反応します。
彼女らは究極の現実主義者です。
彼女らはほとんどの場合、オブジェトから何かを読みとったり、オブジェクトとの多くの個人的な関連付けを形成することはしません。
内向的感覚は、刺激やオブジェクトが与える主観的印象に焦点を当てています。
Siタイプは、オブジェクトを見たり、外界から感覚を得ると、その印象、主観的な回想、記憶、オブジェクトの象徴を受けとります。
内向的感覚は、客観的刺激によって興る主観的感覚の強さによって導かれるが、明らかに全く予測不可能で恣意的なものである。
何が印象に残るのか事前には分からず、外部からは明らかでないだろう。
ユング
理解を促進するために、下記に例を示します。
Siタイプが窓の外のリンゴの木を見ると、今まで見たことのあるリンゴの木のすぐに思い出したり、その時の空気を思い出したり、あるリンゴ園にいたことを思い出すでしょう。
Seタイプが窓の外のリンゴの木を見ると、ルビーレッドのリンゴと濃い緑の葉のコントラスト、幹と枝の濃い茶色と灰色、そして日光が庭を横切る様子に気づき、ドアから出て、手を伸ばしてリンゴを選び、口に入れ、熟した甘さと、新鮮なリンゴの香がして・・・
シーン全体の感覚がほとんど同時に意識に入り込みます。
この物、場所、光景、音は私にとって何を意味するの?
これは私に何を思い出させるの?
頭に即座に浮かばせる、時を超越した無形の性質は何?
これが内向的感覚の真実です。
気をつけるべきもう一つのことは、香りがすべての個人の記憶を引き起こす可能性があることです。
これは、匂いが感情や記憶を引き起こす脳の領域で処理されるという事実に関連しています。
しかし、Siタイプが即座にオブジェクトや刺激に関連する主観的な連想に移動し、それを使って自分の決定に影響を与える一方、Seタイプは、すぐにオブジェクトの客観的な現実に焦点を当て、その現在の現実を使用して決定に影響を与えます。
内向的感覚:将来のビジョンと計画
内向的感覚は過去の出来事とのみ結び付いているわけではないことに注意することは重要です。
内向的感覚はオブジェクトや感覚が将来どのように使用される可能性があるのかも見ています。
内向的な感覚は、古くからの主観的な経験の趣と、まだ生まれていない出来事のきらめきを広げ、オブジェクトを正確に再現しないイメージを伝える。
生の印象が深く発達し、過去と未来に到達する。
その一方で、外向的感覚は日の光に開かれた物の瞬間的な存在を捉える。
ユング
神経科学Nardiによると、Siタイプは将来を計画している領域での脳活動が活発です。
彼女らは将来何かがどのように使われる可能性があるか、経験がどのように創造されるかを見るのを楽しみます。
毎年のクリスマスにアドベントカレンダーを使ったり、毎週日曜日の朝に同じ朝食を食べるなど、感傷的な価値のある慣習を作り出すことを楽しむことができます。
基本的に、Siタイプは時を越えた方法で人生を経験します。
過去、現在、未来の印象と、絶えずシフトしています。
現在の経験はある日の記憶になります。
現在の経験は過去の同様の経験を思い出させます。
この同じ経験は、将来に再現して楽しむことができます。
Siタイプは、システムまたは人間の行動のパターンを素早く拾います。
彼女らは過去にどのように状況が起こったのかを考え、その同じパターンが将来どのように繰り返されるのかを考えます。
彼女らは、現在の現実と過去の経験を比較して、パターンが続いているか、顕著な変化や違いがあるかどうかを確かめます。
不健全な内向的感覚
極端・不健康な内向的感覚は、特定の印象に結びついている物を手放すことができなくなる可能性があります。
その結果、物を買いためるなどの問題を抱えるかもしれません。
あるSiタイプは祖母のコーヒーカップそのものを見る代わりに、コーヒーカップに祖母の印象を見ました。
すべての好きな思い出、土曜日の朝のテーブルの周りに集まったこと、祖母の使っていた香水、彼女の声がどのように聞こえたか、彼女の優しさ。
彼女はコーヒーカップを手放すことができなくなりました。
客観的現実を失い、彼女にとってある意味コーヒーカップが祖母になったのです。
彼女の発達過程は彼女を現実から遠ざけ、主観的認識の慈悲に彼女を置き去りにしました。
極端な外向的感覚は、経験と感覚の過剰な耽溺につながります。
不健康なSeタイプは、新しくて斬新な経験・感情や、過度の・破壊的な程度のスリルを望みます。
健全な内向的感覚
健全な内向的感覚は、保存された印象とデータを調べ、信じられないほど正確な知識を保持します。
Siタイプは、状況が以前にどう発生したか、システムや人々の重要な詳細を正確に鮮明に思い出すことができます。
彼女らは将来重要になる事実と詳細を素早く思い出します。
彼女らが重要であると考える新しいことを学ぶとき、それが将来どのように利益をもたらすであろうかをすぐに見ます。
また何らかの方法で生産的にそれらを使用するために、人生を通して事実や印象を集めることを楽しむかもしれません。
個人的な観察を通して学んだ教訓が失われることはほとんどありません。
内向的感覚は過度に慣習的?
内向的感覚が過度に慣習的ということは全くありません。
少なくとも、ユングの定義を信じるならば全くありません。
ある人々はSiタイプについて奇妙な判断を性急に行います。
Siタイプは自身のために考えることも革新することもできないなど・・・
直観タイプが理論的な可能性と抽象的な革新により焦点を当てているのは事実ですが、Siタイプは実践的な方法で革新的になることができます。
ジェフ・ベゾスやピーター・ティールのようなISTJは、AmazonとPaypalを作ったときに革新を行いました。
トマス・ホッブズやマルティン・ハイデッガーのようなSJタイプの哲学者さえいます。
ISFJであるマザーテレサは、インドのカルカッタで何年も収入を得ずに暮らし、食料や物資を求め、寂しさを感じ、修道院生活の快適さに戻りたいと思いつつも、スラム街で貧しく飢えた人々のケアするために働き、激しく思いやりのある生活を送っていました。
これらは、革新的で、創造的に考え、私たちの世界に大きく進歩的な変化をもたらしたSiタイプのほんの一例です。