不安－ISTJ：LBP
どのタイプも成功に喜び、失敗に苦慮します。
しかし、私たちは同じ成功と失敗に対して、自身の認知に応じて違った反応を示します。
私たちが最も大事にしていること、最も注視していることは、私たちに起こるすべてをどのように解釈するかを無意識に決めます。
各タイプは最も深い恐怖、心配、不安に対する反応を持ちます。
それぞれのタイプには、認知ステップの独自の順序に起因する、最も深く、根本的な懸念が1つあります。
ISTJの中心的な恐怖は、自身が世界で独自の場所を持たない、というものです。
自身には特別な役割やタスクがないため、自分自身を何かに没頭させて、溶け込ませなければならない、という恐怖です。
彼女らは、自身には役割がないため、自身にできる最善のことは、他人の役割をうまく果たそうとすることだと考えます。
このような恐怖は誰でも抱く可能性があります。
しかし、ISTJにとって、この心配はすべての根源にあります。
ISTJの弱点
ISTJの第4ステップは直観による「④観察」であるため、ISTJは、自身に人々の性質や動機（心のパターン）に対する理解が欠けていることを恐れます。
具体的には、ISTJは自身の「観察」が概念的な意味（N）で、極めて重要な有用性（T）を欠いているのではないかと心配します。
彼女らは、他者に対する自身の判断が概念的に信頼できず、人の心の複雑さのすべてを理解することができず、したがって自身のパーソナリティ判断が役に立たない（T）のではないかと恐れます。
他者に対する自身の観察が十分「NT」ではないという無意識の不安は、自分以外の全員が物事を上手く行っているのではないか、皆は自分の行いをきちんと理解しているのではないか、人々は独自の場所を持っているのではないか、それに対して自身は世界において孤独で、とても場違いな存在なのではないか、という恐怖を生み出します。
世界において孤独で…
ISTJは、世界（IJ）における自身の役割（T）を重視します。
よって、不安が増大すると自身には世界（IJ）における役割はなく、対して人々は自分独自の役割を持っている…と考えるようになります。
人々に対する理解が十分「NT」ではないという無意識の不安は、最終的には自身の持つ概念的な有用性や役割を誤って判断する原因となる…と思われます
何らかの形でストレスやネガティブなことを感じたり経験したりすると、心は急いで子供時代の安全なはずの場所に戻ろうとします。
これにより、自身はどこにも属していないのではないかという中心的な恐怖が急増します。
その結果、「ISTJの否定」に耽溺したいという誘惑に駆られます。
根源的恐怖と不健全さ
各タイプは第4認知に苦手意識を持ち、第4認知が上手く使えないせいで最も望むこと（第1・第2認知）ができなくなる、という恐怖を持ちます。
恐怖が増大してストレスを感じると、第1認知の性質が歪んだ形で表れます。
IJ：不健全さ
個人の動機や意図を正しく観察し理解することに弱点を持ち、自分自身の動機や性質を誤って認識する
↓
自身の動機や性質は概念的（N）・経験的（S）に認容できないものなのではないか、という不安
↓
自身は、世界やそれを支える原則から疎外されたものである、という恐れ（自身は正しい原則に則った存在ではない、という恐れ）
ISTJの否定
「ISTJの否定」とは、世界における誰の立場も実際には重要ではないという主張です。
他の人々の中には自分の居場所がないという恐怖に対処するための健全な試みとして、ISTJは自身の安全な世界を作るために、自分の小さな王国を築くことに最善を尽くします。
しかし、自分が構築した安全な世界の中にも自分の居場所がないという恐怖が続くと、ISTJは「自身の世界の外には、真に重要なものは何もない」と宣言することでこれに対処します。
自身の世界の外にいる人々にも独自の居場所はなく、人々は自分たちに目的があると思い込んでいるだけ、だと考えます。
そして、外の世界が自身の世界に忍び込んできて、自身が愛する世界を引き裂き、自身には最初から王国など存在しなかったことが明らかになるのではないかという恐怖が高まるにつれ、ISTJの私的支配の外にいる者に対する憤りや疑惑が増大します。
「ISTJの否定」により、ISTJは自身の専門性が妨害され、自身が築いてきたプライベートな世界を失うことを恐れて、世界のありのまま現実を否定します。
特に不健全なISTJは、自身が守っている小さな世界こそがありのままの世界である一方、外側の広い世界はすべて腐敗し、無知で、危険であると主張することに努力を費やします。
彼女らは、自身の世界こそが物事がこれまで続いてきた方法であり、また物事がこれからも常に永遠に続く方法であるとほのめかし、または宣言します。
そして、自身の世界と相いれない現在の世界のすべてを無視するようになり、世界における真に変化すべき部分を否定するようになります。
ISTJは気づかないうちに、自身が深く保持している原則に反する有害な現状を維持し、守ることになり、自身が私的に守っている小さな世界さえも汚染してしまいます。
その一方で、世界を真により良い方向に変えることができると信じている人のことを、愚かで、ドラマチックで、子供じみていると見なします。
これらの不健全なISTJは、「可能性」という概念的な性質（N）を恐れ、「直観など存在しないし、可能性も存在しない。あるのは私が知っている経験だけ。」と主張します。
これらのどれも、ISTJの気分を良くするのに役立つのは一瞬だけで、独善性の最高潮が過ぎ去った後、ますます孤立感が増し、自分に居場所はないと感じるだけです。
不健全なISTJの存在理由は、タイプの専門性とは真逆で、世界の複雑なニュアンスを否定することになります。
自分自身の最も奥深く、最も大切な欲望と必死に闘うこの究極の矛盾は、控えめに言っても悲惨です。
しかし、健全なISTJであっても状況が困難になると「ISTJの否定」の犠牲に陥ります。
自身を守るための自然で純粋で意図的ではない方法として、ISTJは、世界の中で自分の立場と役割を情熱的に追求する他の人たちに呆れます。
あたかも、世界で独自の場所を見つける人は自己美化的またはメロドラマ的であるに違いないかのように。
最後に
どのタイプも、自分または自分の愛する人が、すでに望む姿のすべてであると宣言することに惹かれます。
このタイプの不安は、忍耐強く学び、成長し、本当の成功を得ようとするのではなく、すでに目標に到達しているのが当然であるかのように感じようとする誘惑にかられます。
この意識は、「特別でありたい」という善良な願望を歪めてしまうもので、有害です。
現実には、誰もが等しく、それぞれ異なる方法で特別になることができ、すべての人が多様な方法でユニークであることを可能にします。