INTP:精神プロセス
INTPの心理機能
1.Ti – 内向的思考
INTPはTiを使用して頭の中で論理的分析を行い、これに基づいて意思決定を行います。
INTPはTiの影響によって、合理性と客観性を重視します。また、知識と学習に対する飽くなき渇望を持ちます。
Tiは主要機能であり、他の3つの機能はTiをサポートします。
2.Ne – 外向的直観
Neは、INTPが情報を取り込む主要な方法です。
INTPは話したり、書いたり、創作したりする際に、直観を使ってパターン、根底にある原則、アイデアを発見し、理論やフレームワークを構築し、複数の物事の間の関連を形成します。
彼女らは、直線的な方法で会話するのではなく、その瞬間に構築している関連に基づいてトピックからトピックへと飛び移り、時に「とりとめのない」ように見えます。
3.Si – 内向的感覚
INTPはSiによって、収集したすべての関心ある事実や知識を、将来の参照のために組織的な方法で脳内に保存します。
彼女らはまた、Siによって内的世界をかなり構造化し詳細に分析しており、これは多くの場合、精神内部に非常に強い安定性(一定性)をもたらします。それが他者にとっては傲慢であると受け取られる可能性があります。
INTPは会話において話題から話題へと飛び移りますが、内面的には直線的な思考パターンを持ちます。
彼女らはSiの影響により正確な言葉遣いを求め、必要に応じて自身の考えをうまく表現できます。
4.Fe – 外向的感情
FeはINTPの最後の機能です。他の機能ほど強力ではないため、INTPはすべての決定を行うためにFeを使用するのではなく、必要な場合にのみ使用します。
FeはINTPの人道的側面を担います。 そのため、彼女らは自身の知性と創造的な問題解決能力を使って他者を助け、何らかの方法で世界の議題を解決したいと思うようになります。
Feが最後にあるということは、他タイプに比べて感情への認識や感情に対処する能力が低い状態で人生をスタートすることを意味します。
INTPと内的世界
Tiは、詳細な論理分析に最も適した機能です。
Tiは問題を解決し答えを見つけることに関心を持ち、可能な限り客観的になるために自身を状況から切り離す能力を誇ります。
Tiタイプは、客観性を享受するために感情や身体感覚をシャットアウトすることに優れます。彼女らは、問題を解決したり、新しい人に出会ったり、新しい活動を始めたり、理性を使って議論したりするときにシャットアウトを行います。
Tiは学習に関心を持ちます。それは、ただ知識を得るだけでなく、複雑なことを深く理解することです。
INTPはNeを使用して可能性を把握します。
また、Siを用いて物事を最小の部分に分解して、各詳細を保存します。次に、Neを用いてこの情報をさまざまな状況に適用させます(用います)。
Tiは、瞬時に実行的な意思決定を下さないという点でTeと異なります。
Tiタイプは、結論を出す前に物事を深く探求する必要があります。よって、彼女らは物事を完全に理解し、それについて意思決定を下すための長い時間を必要とします。
INTPはすべての観察を処理するために頻繁に世界から離れる必要があります。彼女らは、自身の中にある認知バイアス(非合理的な先入観)を探すのに多くの時間を費やします。
バイアスの排除により、客観的な分析が可能になります。
Tiタイプは、自身が愚かなのではないか、という不安を持つ傾向があります。
しかし、成熟したTiタイプは、自身とは異なる人々に慈悲と理解を与えるために、生涯を通じて少なくとも数回は愚かさの定義を変更します。
強力なTiは一度に複数の種類の分析を実行します。
INTPは主に演繹とカテゴライズを使用します。
カテゴライズ
「最適な」プロセスを使用して、全体的な方法で概念(コンセプト)を分類および定義します。
これは多くのカテゴリを同時に考えるものであり、例えばこの思考方法は、イルカが哺乳類と魚類のどちらのカテゴリに適しているかを判断するのに役立ちます。
また、それほど頻繁ではありませんが、確率評価もある程度利用します。
確率評価
多くの不確実な要因について、多数の長所と短所を一度に総合的に比較検討し、一つの結果に到達すること
ITNPは複雑なアイデアについて話し合うとき、記の3つに加えて、以下の2つのコア処理領域に関与します。
1つ目は、物事の理由を示し、選択肢を決定し、エラーを検出することです。
2つ目は、思考の過程で自分がどの位置にいるかを追跡することです。
TiとSiを組み合わせると、特に計算高く、時に冷淡になります。
TiとSiは共同して知識のライブラリを形成します。
このライブラリは定期的にアクセスされ、古典的な批判的思考とプログラミング言語を反映した方法で処理されます。
物事は、1か0、正しいか間違っているか、真か偽といった、何十億もの単純なバイナリで構成されていると見なされます。
INTPが、自身が合理的であると主張する他タイプに対して不快感を感じるのは、この生まれつきの論理スキルによります。
合理性はINTPの「特質」であり、彼女らは自身の合理性が認められ評価されることを好みます。これは彼女らが常に正しいという意味ではありませんが、彼女らが何らかの主張する場合、それを裏付けるために広範な調査を行っている可能性が高いことは確かです。
INTPはSiを使用して、収集したデータを関連するトピックに基づいて区画化し、分割します。
Siは、データを最も小さく最も単純化された部分に分割します。
Tiは何が興味深いか、何が重要で何がそうでないかを決定します。不要になった無関係な詳細はすべて手放して忘れることができ、有用なデータは後で使用するために保存されます。
これはINTPの私生活にも影響を与え、彼女らと関りがある人々さえも情報の断片に分割されることを意味します。
例えば、Tiタイプは相手の話の要点を素早く収集でき、Siは話を聞くとすぐに関連データを保存するため、INTPは相手の言っていることを理解できたと感じたら、話を聞くのをやめてしまいます。
INTPと外的世界
INTPは、Neを使用してあらゆる種類の観察を取り込みます。
そして、Siによって興味深い情報を保存し、Tiによって後で参照します。
Ti/Siの知識ライブラリはいつでもNeに利用されます。
したがって、原則、枠組み、アイデア、思想を構成するには10~100個の情報が必要になることがあります。
Neは、間違いを減らし時間を無駄にしないために、様々な経験からできる限り多くのことを学ぶことを好みます。
Neは抽象的で、理論、パターン、フレームワーク(枠組み・下部構造)、原則を重視します。
これらの性質により、Siは収集したデータを自身が導いた理論や原則にあてはめ、INTPが世界をよりよく理解するために利用できるようにします。
INTPは常に理論と関わっており、彼女らにとっては自身の理論を発展させるために一人の時間を持つことが重要です。
彼女らの最高のアイデアは、心の平安が得られ、十分な意見が得られたときに生まれます。
構築までに時間がかかったアイデアについては、アウトプットするスペースが必要です。
書くこと、話すこと、教えること、建築すること、デザインすることなど、独自の方法で学習したことをまとめるスペースが重要です。これは、アイデアの表現を洗練し、完璧にするのに役立ちます。
Neは新奇性を愛します。
Neは常に、解くべき新しいパズル(問題)や、学ぶべき新しいことを探します。
Neは、ある分野において基本的な能力レベルに達するとすぐに飽きてしまうため、INTPの多くは博学者(多くの分野の知識を持つ人)になります。
しかし、生涯を通して関心を持ち続けるものが1つまたは2つあることが多いです。
Neはアイデア、可能性、未来に関係します。
このため、INTPは現在の瞬間を味わうこと、現在の成功を祝うことに苦慮します。
INTPは第3機能としてSiを持つため、ある程度の感覚過負荷に苦しむことが多いです。
騒々しい環境、明るすぎる環境、不快な服装などのせいで限界を超えてしまいます。
最後の機能がFeであるため、多くの感情が充満している環境や人が多い環境もストレスがかかります。
INTPにとってFeは最大の課題です。
客観的論理と合理的分析を重視するということは、彼女らのFeの側面を発展させるために多くの意図的な努力を費やさなければ、人間関係が悪化することを意味します。
Feは利他的であり、有意義な方法で他人にケアの提供をすることに満足します。INTPの第4機能がFeであるということは、愛する人から助けを求められたときに断りづらいということを意味します。
NeはFeとペアになり、INTPが各瞬間(状況)に適応することを支援します。
TiとSiは社会的相互作用で収集したデータを追跡し、NeとFeはそのデータを利用してINTPが観察したパターンに従って行動することをサポートします。
INTPはこの点に非常に優れますが、他人に適応しすぎて、本来の自分でいられなくなるというリスクも持ちます。
INTPの中には、理解を深めて問題の核心に迫るために、議論に積極的に関与する人もいます。
自身の持つ議題を現実の世界に持ち出すことで、そのトピックについての理解をさらに深めます。
また、悪魔の代弁者(思考を探求するために、敢えて相手に反論する人)にもなります。
INTPは、背後に正当な目的があると考えない限り、社会的伝統やルールをあまり尊重しません。
合理的な理由のない慣習は受け入れません。
しかし、社会規範を遵守することへの関心が無く、論理への愛着が強いからといって、INTPが人生の中で他者のことを気にかけていないと解釈すべきではありません。
INTPは、問題解決というアプローチの側面から他者を気にかけます。
また彼女らの一部は、社会問題や地域社会の福祉に関心を持っており、周囲の人たちと平和に暮らすことを望みます。 ただ、数多くの人々と親密に関わるほどの精神的エネルギーを持っていないだけです。
感情(emotion)
Feは、INTPが自身の感情を処理し、他人の感情に応答するのを助ける機能です。第4機能は発達に長い時間がかかるため、自身が成長するまでFeを完全には理解できないかもしれません。
INTPにとって、幼少期の感情体験は少し恐ろしいものになることがあります。
彼女らの感情は通常、突然、その場で表現されます。
彼女らは自身の中に感情の深い井戸を持っておらず、常に注意して感情を処理することができません。
INTPは、すべての感情には深い意味があると考えてしまいがちです。
彼女らは感情を扱うべきデータとして捉えます。
あぁ、私は痛みを感じている。どうしたら二度とあんな経験をしないで済むの?
この不快な経験から免れる方法を見つけるために、あらゆる角度から自分の感情を分析する必要がある…!
INTPは自身の感情をそのまま放置するのではなく、すべての感情を自分の中に取り込んで部分部分に分解してしまいます。
瞬間的に感情を分析しようとすると、さらなる感情の悪化を導き、衰弱を招きます。
より良い対処方法は、あらゆる感情をその深部まで理解することを放棄し、代わりに単純に感情を表現して手放すことです。多くの場合、感情が去った後、物事についてより正確な洞察が得られます。
INTPは、自身の感情に対する意識が低いため、ストレスに対処するときに苦労することもあります。
ネガティブな感情が積み重なり、その原因を特定するのが難しいときに、ノートや日記を手元に置いておくと役立ちます。
経験の詳細を書き出すことは、感情の一部が何であるかを解明するのに役立ちます。
重要なことは、感情を内に秘めて徹底的に分析するのではなく、書き出したり話したりすることで感情を現実世界へ表現することです。